小児外科で治療する病気

梨状窩瘻

梨状窩瘻

小児にみられる頸部の疾患のうち、梨状窩瘻は比較的最近まで原因が分からなかったものです。頸部の真ん中よりやや外側に膿瘍や瘻孔ができ、治ったり再発したりを何度も繰り返します。正中頚嚢胞や側頸瘻と区別する必要があります。のどの奥にある梨状窩という所から細い管が甲状腺に向かって伸びていることからこの名前がつけられました。左側に多く、急性化膿性甲状腺炎の原因としても重要な疾患です。

診断は食道造影が最も有効ですが、炎症がひどいときには瘻孔が写らないことがあり、何回も繰り返して行うことが必要です。甲状腺シンチも、甲状腺に炎症が及んでいるかを判定するために有用です。

治療法は瘻孔の完全切除ですが、瘻孔は壁が薄く見つけるのが困難なために完全に取り除くことがなかなか困難で、再発しやすく、そのためにも、まず瘻孔を確認するための工夫がいろいろ考案されています。感染などがあると更に再発しやすいので手術の時期も慎重に見極める必要があります。必ず専門医の治療が必要な病気です。

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