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第19回 日本小児外科学会卒後教育セミナー

講演概要

日時: 平成15年5月30日 (金)17:30-20:30
平成15年5月31日 (土) 9:00-16:10
会場: ぱ・る・るプラザ京都
世話人: 岩井 直躬 (京都府立医大小児外科)
平成15年5月30日 (金)
I.術前術後管理 17:30-19:30 司会:田口智章 先生(九州大学小児外科)
1.体液・栄養管理 (講演60分,討議20分)
千葉大学小児外科 吉田英生 先生
2.呼吸管理 (講演30分,討議10分)
神戸大学呼吸循環器外科 前田貢作 先生
休憩(19:30-19:40)
II.頸部 19:40-20:30 司会:山際岩雄 先生(山形大学第2外科)
1.頸部疾患 (講演40分,討議10分)
安城更生病院小児外科 堀沢 稔 先生
平成15年5月31日 (土)
III.肺・気管・横隔膜 9:00-11:50 司会:下竹孝志 先生(京都府立医大小児外科)
1.肺・気管の疾患 (講演60分,討議20分)
兵庫県立子ども病院外科 西島栄治 先生
休憩(10:20-10:30)
2.横隔膜疾患 (講演60分,討議20分)
名古屋大学小児外科 瀬尾孝彦 先生
昼食(11:50-13:30)
IV.日常的疾患 13:30-16:10 司会:高野邦夫 先生(山梨大学第2外科)
1.肥厚性幽門狭窄症・腸重積・鼠径ヘルニア
(各々,講演15分,討議10分)
千葉大学小児外科 幸地克憲 先生
旭川医大第1外科 宮本和俊 先生
休憩(14:45-14:55)
2.虫垂炎・臍ヘルニア・乳児痔瘻
(各々,講演15分,討議10分)
旭川医大第1外科 宮本和俊 先生
千葉大学小児外科 幸地克憲 先生
受講希望者は,平成15年の小児外科学会誌1号または2号に折り込みの受講申込書に現金書留用封筒にて受講料を添 えて後記卒後教育セミナー係までお申し込み下さい.受講料(テキスト代を含む)は,申し込時の消印が平成15年5月23日(金)以前の方が15.000 円,その後の方が18.000円となります.
受講者にはセミナー終了後参加章に受講印を押印し,修了証書をお渡しします.
本セミナーは年1回開催され,3年で小児外科全般をカバーするように企画されておりますので,連続して受講することをお奨め致します.なお,今年度は3年のうちの第1回目になります.
テキストに残部がでた場合はセミナー終了後に,一部3,000円で販売致します.希望者は現金書留用封筒に料金を添えて後記卒後教育セミナー係までお申し込み下さい.

講演概要

平成15年5月30日(金)

I.術前術後管理 17:30-19:30 司会:田口智章 (九州大学小児外科)

1.体液・栄養管理 (講演60分,討議20分) 千葉大学小児外科 吉田英生“こ どもは大人のミニチュアではない”といわれるが,小児は機能面でも形態面でも成長発育の過程にある.体液・栄養管理においても成人とは異なった特殊性を もっていることを十分理解した上で行うことが重要である.実際の症例をもとに,受講の先生方とのやり取りを通して小児の特殊性をふまえた管理法について考 えていきたい.
2.呼吸管理 (講演30分,討議10分) 神戸大学呼吸循環器外科 前田貢作

小 児では成人と異なる生理学的特徴から,呼吸管理についてもいくつか注意を要する点があります.気道確保の仕方,人工換気の開始とその維持・離脱のタイミン グ,主な人工呼吸器の使い方などを中心に説明する予定です.また,小児期に呼吸管理が必要となる主な病態や重症呼吸不全に対するNO(一酸化窒素)吸入療 法,ECMOの管理についても,その要点を述べたいと思います.

II.頸部 19:40-20:30 司会:山際岩雄 (山形大学第2外科)

1.頸部疾患 (講演40分,討議10分) 安城更生病院小児外科 堀沢 稔小 児の頸部瘻孔および嚢胞には正中頸嚢胞,側頸瘻,梨状窩瘻,異所性唾液腺瘻などがあげられる.それらの中には再発をくり返し治療に難渋するものがある.特 に,正中頸嚢胞,梨状窩瘻は,ケースによるが蟻地獄にはまった気すらすることがある.これに対処するには,なによりも,その疾患を十分に理解することが大 切である.再発しない為のコツなど,ビデオを交えながら解説する.また再発しやすい疾患として知られている耳前瘻の手術に付いても解説する.
平成15年5月31日(土)

III.肺・気管・横隔膜 9:00-11:50 司会:下竹孝志 (京都府立医大小児外科)

1.肺・気管の疾患 (講演60分,討議20分) 兵庫県立子ども病院外科 西島栄治1980 年以降に経験した先天性気管狭窄症40例の検討より,本症の病態,病像,診断,合併病変,手術適応,手術方法,成績,および窒息時の対処方法を整理する. 気管気管支軟化症も整理する.小児の嚢胞性肺疾患では肺分画症,気管支閉鎖症,CCAMを中心に疾患の概念の整理を試みる.
2.横隔膜疾患 (講演60分,討議20分) 名古屋大学小児外科 瀬尾孝彦先 天性横隔膜ヘルニア,中でもBochdalek孔ヘルニアについて,臨床,研究の両面にわたり講義する.生直後に発症する本症や出生前診断例は依然予後不 良であるが,その原因である肺低形成と遷延性肺高血圧症(いわゆる胎児循環遺残)の診断,治療を詳述する.手術法はビデオを併用しながら述べる.研究面で は,これまでに作成されてきた様々な動物実験モデルについて述べる.他に,Morgagni孔ヘルニア,横隔膜弛緩症等にも言及する.

IV.日常的疾患 13:30-16:10 司会:高野邦夫 (山梨大学第2外科)

1.肥厚性幽門狭窄症・腸重積・鼠径ヘルニア (各々,講演15分,討議10分)

千葉大学小児外科 幸地克憲
旭川医大第1外科 宮本和俊

2.虫垂炎・臍ヘルニア・乳児痔瘻 (各々,講演15分,討議10分)旭川医大第1外科 宮本和俊
千葉大学小児外科 幸地克憲
1.肥厚性幽門狭窄症:超音波診断,右上腹部横切開(ラムシュテット法)2.腸重積: 腹壁外ハッチンソン法,開腹術3.虫垂炎:超音波診断,開腹手術,delayed手術(腹腔鏡)4.鼠径ヘルニア:Lucus- Championniere法,Potts法5.痔瘻:瘻孔切開6.臍ヘルニア:臍形成術(臍下部弧状切開,鬼塚法)などをビデオで上映し,視覚的に分か りやすいように講義することを予定しています.
(千葉大学小児外科 幸地克憲)当科で行っている小児外科日常疾患での標準術式は以下のようであります.
・肥厚性幽門狭窄症:粘膜外幽門筋切開術(臍輪切開,腹腔外手術:Bianchi法)
・腸重積:開腹根治術:(用手Hutchinson手技,症例により腸切除端々吻合)
・鼠径ヘルニア:(Potts法,女児には時にFerguson 法)
・虫垂炎:開腹虫垂切除術(Lennander切開,順行性切除術)
・臍ヘルニア:臍輪切開,ヘルニア嚢切除,筋膜縫合,皮膚トリミング埋没縫合
・ 乳児痔瘻:瘻管切開,内腔掻爬,開放
これらの手術のビデオを供覧しつつ,術式の手順・要点につき最近の論争点をふまえ講義をいたしたいと考えています.(旭川医大第1外科 宮本和俊)

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