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第20回 日本小児外科学会卒後教育セミナー

講演概要

日時: 平成16年6月4日 (金)17:30-20:10
平成16年6月5日 (土) 9:00-16:00
会場: 大阪国際交流センター 小ホール
世話人: 今村 洋二 (関西医科大学)
平成16年6月4日(金)
I.肝胆道・門脈・脾・膵疾患 17:30-20:10
司会: 瀬尾孝彦(名古屋大学小児外科)
1.胆道閉鎖症 (肝移植・門脈圧亢進症を含む)
(講演50分,討議10分)
宮城県立こども病院外科 仁尾正記
休憩(18:30-18:40)
司会:松本 勇太郎(磐城共立病院小児外科)
2.胆道拡張症 (講演40分,討議10分)
名古屋大学小児外科  金子健一朗
3.脾・膵疾患 (講演30分,討議10分)
名古屋市立大学小児・移植外科 鈴木達也
平成16年6月5日(土)
II-A 新生児外科疾患 9:00-12:10
司会: 幸地克憲(千葉大学小児外科)
1.腹壁異常 (講演50分,討議10分)
愛知県心身障害者コロニー中央病院小児外科 新美教弘
2.食道閉鎖・狭窄症 (講演50分,討議10分)
大阪府立母子保健総合医療センター小児外科 奥山宏臣
休憩(11:00-11:10)
司会:宮本和俊(旭川医科大学第1外科)
3.腸閉塞症・消化管穿孔 (講演50分,討議10分)
鹿児島大学小児外科 野口啓幸
昼食(12:10-13:50)
II-B 新生児外科疾患 13:50-16:00
司会: 植村貞繁(国立岩国病院小児外科)
1.ヒルシュスプルング病 (講演50分,討議10分)
京都府立医科大学小児外科 下竹孝志
休憩(14:50-15:00)
司会:高野邦夫(山梨大学第2外科)
2.直腸肛門奇形 (講演50分,討議10分)
東京都立清瀬小児病院外科 広部誠一
受講希望者は受講申込書に現金書留用封筒にて受講料を添えて後記卒後教育セミナー係までお申し込み下さい.受講料(テキスト代を含む)は,申し込時の消印が平成16年5月25日(火)以前の方が15.000円,その後の方が18.000円となります.
受講者にはセミナー終了後参加章に受講印を押印し,修了証書をお渡しします.
本セミナーは年1回開催され,3年で小児外科全般をカバーするように企画されておりますので,連続して受講することをお奨め致します.なお,今年度は3年のうちの第2回目になります.
テキストに残部がでた場合はセミナー終了後に,一部3,000円で販売致します.希望者は現金書留用封筒に料金を添えて後記卒後教育セミナー係までお申し込み下さい.

講演概要

I.肝胆道・門脈・脾・膵疾患

1.胆道閉鎖症(肝移植・門脈圧亢進症を含む) 宮城県立こども病院外科 仁尾正記胆道閉鎖症はもっとも重要な小児外科的肝胆道疾患のひとつである.1989年に日本胆道閉鎖症研究会が中心となって胆道閉鎖症全国登録が開始さ れ,2002年までの登録症例総数は1,700例以上に達した.これらの症例から得られた様々な臨床データと最近の文献的知見,ならびに東北大学小児外 科・宮城県立こども病院における胆道閉鎖症の治療経験を踏まえ,その診断,治療,管理のポイントを概説する.
2.胆道拡張症 名古屋大学小児外科 金子健一朗先天性胆道拡 張症・膵胆管合流異常に対する手術のポイントは,膵臓側の胆管処理と肝臓側の胆管処理につきる.講義ではそれぞれの処理法がなぜ必要なのか歴史的かつ理論 的背景を解説し,手術の実際をビデオで供覧する予定である.時間があれば,膵胆管合流異常の病態論(私見)に触れる.
3.脾・膵疾患 名古屋市立大学小児・移植外科 鈴木達也小児 外科領域であつかう脾疾患としては,脾の先天異常(遊走脾,無脾症,多脾症),脾腫瘍,脾嚢胞,脾膿瘍,および脾摘を必要とする内科的疾患(溶血性貧血や 特発性血小板減少症など),脾損傷と脾摘に関連した脾摘後の合併症の問題があげられる.また膵疾患には,膵癒合不全,膵島細胞腫(膵島細胞症),膵腫瘍, 膵嚢胞および急性重症膵炎などがある.これらの疾患に関して,テキストにより知識の整理を目指すとともに,教科書には載っていない実際臨床上の問題点を提 示するためなるべく多くの症例を紹介する.また,脾機能亢進症の原因となる門脈圧亢進症についても言及したい.

II-A 新生児外科疾患

1.腹壁異常 愛知県心身障害者コロニー中央病院小児外科 新美教弘臍帯へルニアはhernia into the umbilical cordから,肺低形成や心奇形を伴う巨大臍帯ヘルニアと多岐にわたり,病因,治療法,予後も全く異なっている.特に保存療法と手術療法を適切に選択すべ きで,その術式は多様である.また長期的には臍の欠損といった美容上の問題の対応にせまられる.腹壁破裂は臍帯ヘルニアに対し予後良好であるが,短小腸あ るいは腸閉鎖症を伴うことがあり,術後管理に難渋する症例がみられる.総排泄腔外反症は予後良好であるが,泌尿器,整形,脳神経外科的な問題を複合的に抱 え,長期的なQOLの改善が重要である.これらの疾患に関し,私どもの施設の症例を中心に概説する.他にprune belly症候群,臍腸管・尿膜管遺残症を取り上げる.
2.食道閉鎖・狭窄症 大阪府立母子保健総合医療センター小児外科 奥山宏臣現在わが国における食道閉鎖症の救命率は高く,その治療法は確立された感があります.しかし術後合併症や合併病変に難渋する症例もみられ,長期のQOLは 必ずしも満足出来るものではありません.本セミナーでは当センターにおける治療方針を解説するとともに,long gap症例に対する術式や胸腔鏡下手術などQOL改善にむけた最近の手術方法を紹介する予定です.食道狭窄症に関しては,当センターで経験した様々な病型 とその治療法を紹介するとともに,超音波を用いた新しい診断方法についても解説します.
3.腸閉塞症・消化管穿孔 鹿児島大学小児外科  野口啓幸先天性腸閉塞症:術前後管理,手術方法に加え,われわれが行っている経吻合部チューブによる術後の早期経腸栄養管理,短小腸患児における回盲弁温存の工夫等にも言及したいと考えています.
消化管穿孔:輸液管理を含めた術前後の管理,手術方法について解説し,極・超低出生体重児における壊死性腸炎,限局性腸穿孔の管理法について最近の論争点をふまえ講義する予定にしています.

II-B 新生児外科疾患

1.ヒルシュスプルング病 京都府立医科大学小児外科 下竹孝志ヒルシュスプルング病の診断と治療に関する最近の動向について,無神経節腸管の範囲に基づく病型毎に概説する.特にこの数年間,多くの施設において,本症 の根治手術の術式や時期に大幅な変更や見直しが行われ,一期的経肛門手術,腹腔鏡の補助併用,Ziegler法,小腸移植などが従来の標準術式に取って替 わりつつある.今回のセミナーでは,術式の選択に関するこれらの劇的な変化に柔軟に対応できるよう,各々の利点・問題点を整理して提示したい.
2.直腸肛門奇形 東京都立清瀬小児病院外科 広部誠一直腸 肛門奇形の治療の目的は良好な排便機能を得ることである.そのためには,排便機能に影響する括約筋の解剖を理解し,存在する括約筋を最大限利用した手術を する事が大切であり,その要点を概説する.しかしその手術には限界があり,患児の解剖上の構造や機能を正常にする事は不可能である.よって,術後の排便訓 練や,失禁防止の管理も大切であり,排便障害の原因に応じた排便管理方法について概説する.

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