21世紀はこどもの時代-大井龍司
 皆さんの母国である日本は,教育や社会保障,あるいは環境保全など人類にとってもっとも重要な社会的共通資本(宇沢弘文東大名誉教授)の面では,国際的にとても遅れていると言わざるを得ません.とりわけ教育や医療において「こどもを大切にする」という視点では,とても先進国とは言えないのが現状です.そのようななか,あまりの少子高齢化の到来に目が覚めたのか,国(国民)もようやくこどもの大切さに気がついたようです.改めて言いますが,こどもは国の「たから」です.こどもを大切にしない国は何れ崩壊への道を辿ると言われています.
小児医療とは,かくも大切なこども達の健康と福祉のためにあるものであり,その中でもこども達の外科的疾患に対して責任ある医療を担当するのが小児外科です.只,こども達の身体や機能を治せば良いというものではありません.こども達の将来のために「こころの悩み」を払拭してあげなければなりません.また病気のこども達にはご家族や兄弟がいます.外科的疾患を持つこどもの廻りの世界すべてを治療するのが小児外科医です.さらに言うならば人類のため社会のためにおおくの可能性を秘めたこども達の医療に携われる,こんなやりがいのある職種は他にそんなに多くはありません.
現状では「小児医療は厳しい,きつい,もうからない」と良く言われます.わが国の診療報酬上でのこのところの小児医療への追い風を基に,今後この面での更なる改善が期待されます.目指せ小児医療を,来れ小児外科に! 私の経験から,医療を志し小児医療を全うした暁には,必ずや達成感,満足感が得られることを保証します.メッセージの最後に,古典落語「子別れ」の一節「かくばかり偽り多き世の中に,子の可愛さはまことなりけり」を贈ります.

(写真)元気のでるファミリーホスピタル,宮城県立こども病院(Photo by R. Ohi)
宮城県立こども病院 Miyagi Children’s Hospital
〒989-3126 仙台市青葉区落合 4-3-17
4-3-17 Ochiai, Aobaku, Sendai 989-3126 JAPAN

日本小児外科学会名誉会員,東北大学名誉教授
地方独立行政法人宮城県立こども病院院長
大井龍司 (おおい・りょうじ)

1965年 東北大学医学部卒業後,東北大学医学部附属病院でインターン
1966年 東北大学医学部医学研究科(外科学第二講座)入学
1970年 大学院卒業後、東北大学医学部外科学第二講座大学院研究生
1973年 文部教官助手
1978年 コロラド州立大学医学部小児外科客員教授
1979年 東北大学医学部外科学第二講座講師
1983年 東北大学医学部附属病院小児外科講師
1984年 同上 小児外科教授
1990年 東北大学医学部小児外科学講座教授
2003年 宮城県立こども病院院長就任

日本外科学会理事,評議員
日本小児外科学会理事長,評議員
日本小児外科学会会長
日本小児外科学会監事
日本新生児学会評議員
日本小児がん学会理事
日本小児がん学会評議員
日本外科代謝栄養学会評議員
日本微量元素学会評議員
日本内視鏡外科学会評議員
日本がん検診・診断学会評議員
日本胆道閉鎖症研究会世話人・事務局代表

American Academy of Pediatrics 名誉会員
Pacific Association of Pediatric Surgeons 正会員・評議員
British Association of Pediatric Surgeons 正会員・評議員
Asian Association of Pediatric Surgeons 正会員
Die Osterreichishe Gessellshaft fur Kinderchirurgie 特別会員
Indian Association of Pediatric Surgeons 名誉会員
The NewYork Academy of Science 会員

外部リンク

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